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  • 執筆者の写真Shoko Masuzawa

数々の変化の中で…。



自分の生まれた時代がよかったのか、

多くのメディアの誕生に立ち会ってきた。


レコード(カセット)

レコード(カセット)からCD

CDからMD

MDからメモリ

メモリからCloud

Cloudからサブスクへ…。


いま、再びのレコードブームらしい。


私が知っている初めのブームは、ジャケットブームだった。


小さすぎるCDジャケットを、

ジャケットのみをLP版サイズでというもの。


そういえば、レコードからCD化へのはざまには、

レコードもCDも両方発売され、選べるようになっていた。

当時のCDの売り文句は、100年経っても聴ける!とか、

一生聴けるとかいうものだった気がする。

たしかに、レコードは傷をつけると音飛びをして聴けなくなるから

ものすごいことが起きた!と思った。


一生聴ける。


もしかしたら、レコードに傷がつく形状でなければ、

カセットは生まれなかった? のかもしれない。


LPを買った後は、ルーティンがあった。


すぐにカセットに音源を落とす。

傷がついたら聴けなくなるからそのまえに。今でいうバックアップ?だ。


そして、普段はカセットを頻繁に聴き、A面とB面をその順番で聴き込んだ後は、

個人で楽しむためにベストの順番にかえて録音する。で、新たなベスト盤を作る。

当時、カセットデッキもどんどん進化していってくれて、

録音の際、曲と曲の間に無音を作ってくれて頭出しができるようにしてくれる。

そんな機能もあった。当時の日本製はまさにUI万全のものづくりだと思う。


ところが、今回のレコードブームは、

ジャケットをLP版サイズでという当時とはちょっと違うようだ。

自分の好きなこの曲を、「レコードで聴いてみたい。」というもの。


そして多くの若者が「音が温かい。」といっていた。

また、レコードに針を置く感覚がたまらないそうだ。


考えてみると、CDが登場した時は、わたしも若者だったわけで、

初めてお気に入りのアーティストの音をCDで聴いた時、

臨場感はあるものの、音が固いと思ったなあ…。


サブスクは、とても便利で、ある一定の金額を支払う事で、

すべてのひとが、その利便性を受け取ることができる。


でも受け取れるものは、サービスである。

自分がいなくても完成されているものだ。


人の温かさを感じられるもの、自分の手間があって完成されるもの、

そこに本当の豊かさがあるのかもしれない。





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